「…ってこんな風にお祭りになったけど、10年ってすごいよねぇ。」 |
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「凄いよね。」 |
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「本当、凄いよね。」 |
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「10年だもんな。」 |
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「10yearsね。」 |
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「10年か…私達、10年後はどうしているんだろうね?」 |
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「きっと私は…」 |
結婚して子供もいる専業主婦。 世間がうらやむようなお金持ちではないけど、経済的にもそれなりに余裕の有る、平凡ながら幸せな毎日… 27歳になっているからさすがに”新妻”という言葉は似合わなくなっているけど、 旦那様ともラヴラヴなかわいい奥さん…。
今日も今日とて、お風呂を沸かして、ご飯の用意をする私…
奥の部屋から顔を出す子供達。 |
「今夜は眠らせないぞ…いや〜ん。」(・∀・) プルプル… |
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「虹野…先輩…?」 |
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「なんてね、なんてね〜!!」(・∀・) プルプル… |
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「いつもの先輩じゃない!!」 |
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「え〜。なんかそういうのもいいなぁ。私はねぇ…」 |
天才ストーカーとして名を轟かせている私。 今日も今日とて、警察の目をかいくぐりあの人を尾行中。 「まて〜!!みはる〜!!」(納谷悟朗さんのモノマネで読んで頂くとよりお楽しみ頂けます。) この思いがあの人に届くのはいつなのか…いつか必ず来るその日を夢見て今日も健気な見晴。
そんなある日、受話器をとり電話をしようするあの人。 |
「見晴ぴ〜んち。」(・∀・) プルプル… |
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「何だよその突拍子もない妄想は…」 |
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「じゃあ、私は…」 |
オリンピック水泳競技で金メダルを取ったのも過去の話。 結婚し子供もでき、水泳選手引退後に始めた花屋を続けていた…。
旦那も優しい。子供も元気。花屋の経営も順調で忙しいなりにもそれなりに幸せな毎日。
次の日。
そして指定の時間……やって来たのは…旦那であった。
しかし、説明しなければならない事があった。そう、本数が足りないこと。
それを聞いた旦那はほんの少し考えた後に笑った。 |
「なんてな、なんてな〜!!」プルプル… |
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「な〜に言ってんの、望。 望のことだから27歳になってもバリバリ現役男勝りの筋肉女で、水泳教室でスパルタ教師をしていると見た。 もちろん独身。」 |
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「…ってそういう彩子はどうなんだよ!?」 |
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「私〜?私はねぇ…」 |
女盛りの27歳。 留学から帰って来て、数年の修行の後、新しいブランド”AYAKO”を立ち上げたらそれが大ヒット。 独特なセンスと色使いが広く認められ、地球狭しと飛び回るヤングエグゼクティブ・ウーマン。
もしかしたらまだ結婚していないかもしれないけど、毎日が充実してて一人もいいかななんて思っているかもね。
ん〜でも、人並みの幸せも欲しいからパートナーがいればそれに越したことはないかな。 |
「何言ってんだよ。 そんな事言って、実際はすぐにできちゃった結婚して子供が出来て、 お腹大きくして次は3人目よ〜なんて言ってる肝っ玉母さんになってる。 世界的ブランドじゃなくて公民館の絵画教室で絵を描いているのがオチだろ。」 |
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「オ〜、ずいぶんとスケールが小さくなったわね…でも、幸せならそれでもいいかもね〜。 その絵画教室で私が絵を教えてあげるわ。」 |
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「じゃあ私が妊婦水泳教室でコーチしてやるよ。」 |
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「オ〜、それはノーサンキュー。」 |
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「ふふふふ…何やら話が盛り上がっているようね。でも、甘い甘いわよ。」 |
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「何が甘いのよ…私が想像するに藤崎さんの10年後は…」 |
優秀な成績と見栄えのよさでいい会社に勤めたはいいものの、
いい女ぶって高望みをしていたら、いつのまにか周りの男は結婚していた…。 それでも自分にふさわしい男が現れるに違いないと信じて、 数年前に買った自宅マンションでビデオ見ながらスルメ片手にビールかっ込む毎日。 もちろん台詞は「この一杯の為に生きてるんだよなぁ。」
そんなある日の夜。
部屋で楽しく歓談する二人。 |
「なんてね〜。」(・∀・) ニヤニヤ |
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「…妙に生々しい想像しないでくれる?」 |
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「できちゃった結婚…3人目…きゃッ、恥かしい…。」 |
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「まぁ、いいわ。 だ・か・ら〜、みんな甘い。甘いわよ。 10年後の夢を見るのは自由。でもね、私達の10年後はもう決まっているの。」 |
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「決まってる?」 |
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「新妻?花屋?子供?ヤングエグゼクティブ・ウーマン?残念ながらどれもありえないわ。」 |
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「何でそんなこと分かるんだよ。」 |
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「10年後の私達…それは…それは…」 |
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「それは…?」 |
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「それは…?」 |
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「それは…?」 |
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「それは…?」 |
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