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勝手に企画!ドラマシリーズ!!
ここに集いし者達へ(仮題)〜伊集院編〜

伊集院レイ。
容姿端麗、成績優秀できらめき高校一番のモテモテ男。家がお金持ちで身につけている物はたいてい高価だ。

しかし、そんな恵まれた環境の彼にも一つだけ面白くないことがあった。
それは(株)古式不動産の一人娘、古式ゆかりの存在であった。
こと資産の金額について言えば古式家は伊集院家の敵ではなかったものの、 「きらめき高校のお金持ち」のイメージを独り占めしたい彼にとっては目の上のたんこぶ的な存在だった。

今何時だろうと思いダニエルロートインスタンテニアスパーペチュアルの腕時計を見ると、鞄からマリーアントワネットを出す。
フェラーリF40 LMコンペティツィオーネで登校してくれば、後ろからフェラーリ288GTOに乗って現れる。
お迎えのロールスロイスシルヴァーセラフを待っていれば、脇でメルセデスベンツ600SEL AMGストレッチリムジンで帰って行く。
伊集院が何かをすると、必ずその横には古式さんがいるのであった。果てし無く面白くない。

伊集院はついに打倒ゆかりんな計画を立てる。
彼の家は伊集院グループの頂点。系列の会社や人脈を駆使すればいち不動産を痛めつけることなど他愛もないこと。
系列銀行の貸し渋り、所有する土地の価格操作、関連業者からの孤立、 取引先の制限などあらゆる手段を使って(株)古式不動産を締めつけていった。
同時に巧みな裏操作で伊集院の名前はどこにも出て来ない。

その効果があってか、古式さんの周りが少しずつ変化していった。
しかし、その変化ぶりもまた伊集院の怒りを買うことになった。

お迎えの車がメルセデスからプリウスに、マリーアントワネットがシチズンのエコドライブに変わった。
それは一般庶民的な金額の物ではあるものの、時代の先端を行くイメージを持っていた。
タダでは転ばない。上手なアイテム選択をすることによって低コストでお金持ちのイメージを維持するどころか、 更に評価を上げている。
のろまでどんくさそうな姿がより一層ねたましさを助長するのであった。

とはいうものの、さすがに締めつけが数カ月に及ぶと古式さんにも余裕が無くなって来たようだった。
時折中庭で悩み込む姿を見かけるようになった。

そんなある日、伊集院の前に立ちはだかる者がいた。主人公だ。
「伊集院。俺にはすべてお見通しだ。汚い真似はやめろ。」
言葉の意味が分からないふりをし、主人公を立ち退けようとする。
主人公はポケットから一本の古い巻物を取り出し、それを広げた。
「これはすべてを見通す巻物。お前のやったことはみんなばれている。」
はなはだ非常識な台詞であったが、巻物には古式さんのシューズに画鋲を入れている伊集院が映し出されていた。
本当に非常識な代物だ。
「心あたりがあるだろう。」
さらに伊集院を牽制する。無言になる伊集院。
「ここでやめれば黙っててやる。いいな。」
主人公はみなまで話すことなく、こう言い終わるとその場を離れた。・・・が、何歩かあるくと振り返った。
「お前の正体も見ちゃったよ。」
立ち尽くす伊集院が言葉短く切り返す。
「全部?」
「全部。」
主人公の表情に陰りはない。

さて、その一件で反省した伊集院は(株)古式不動産いびりをやめたが、自分の正体がばれたことは取りかえしがつかない。
幸い主人公は(株)古式不動産いびりの件と一緒に内緒にしてくれていたので助かってはいるが。

ここで伊集院の心境にちょっとした変化が現れた。
悪事を止めてくれた主人公、正体を知っても秘密にしてくれた主人公、そしていままでと全く同じに接してくれる主人公。
心の狭い自分とは対照的な、寛大な主人公に惹かれていくのを感じていた。
しかし、自分は男として生活することを運命ずけられた伊集院家の長女。そうやすやすと恋に身を焦がせない。

・・・・伊集院との恋のゆくえは?乞うご期待!!


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