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勝手に企画!ドラマシリーズ!!
愛ゆえに(仮題)〜美樹原さん編〜

美樹原さんと主人公はお友達。美樹原さんはもっと仲良くなりたいと思っているようだが、 なにせ内気な彼女、たまに下校に誘うのが精一杯で大きな進展もなく毎日が過ぎて行くのであった。

ある冬の日、伊集院の家で行われるクリスマスパーティの帰り道。
幸運にも主人公と帰路が一緒になった美樹原さんは一匹の捨て猫を見つける。
空腹に耐え、寒さに震える子猫の姿は殺人的なかわいそうさがある。
まして動物好きで猫可愛がりの美樹原さんにとってそれを放っておくということは不可能な話であった。
結局、彼女の家族が一匹増えることになった。

その子猫は衰弱していたものの美樹原さんの献身的な看護で元気を取り戻した。
クリスマスの夜に拾ったということで「ナイツ」という名前も付けられた。空は飛ばないけれど。
全身真っ白な顔だちの整った子猫。彼女が可愛がらないわけがない。

さて、そうなると面白くないのが以前からいた愛犬ムク。
奴さえいなければ・・・ 今まで自分に向けられていた愛情と時間が分割され寂しさが積もり始めていた。
「奴さえいなければ・・・。」
しかしそこは犬のするところ。美樹原さんにその心を伝えるためには子猫をいじめることしかできなかった。
ご飯の横取り、馬乗りなど源氏物語の桐壷よろしくいじめの毎日が始まった。

動物の気持ちの分かる美樹原さんはその辺の事情にすぐに気がつき、 もう少しムクをいたわってあげなければと思いはじめていた。
しかしある日、ナイツの食事入れの中に小さな紙切れを見つける。そこにはミミズのはった様な字で、
「お前の秘密を知っている。」
と書かれていた。
こんなことをする犯人もとい犯犬は一匹しかいない。かっとなった美樹原さんは思わずムクの頭を叩いた。
美樹原さんに叩かれたムクはそのまま家を飛び出し、帰ってくることはなかった。

数日後、美樹原さんはか弱そうな声で主人公にそのことを話す。
ムクの気持ちをもっと早くに理解できなかった自分、思わずかっとなって叩いてしまったことの反省、 そして無事に帰って来て欲しいと願っていること。自分の思う様を延々と話しつづけた。

ムクを思いやる彼女の優しさ触れた主人公は一緒にムク探しをすることを決意した。
「よし、一緒に探そう。絶対ムクは帰って来る。帰って来るよ。」
根拠のないなぐさめであったが彼女にとっては心強い味方であった。

次の日、さっそくポスターを作り町中の電柱に貼って廻った。
「この犬を探して下さい。名前はムクです。」
泣きながら作ったのか、あちらこちらの文字がにじんでいた。
100枚貼り終わり、もうすぐ200枚になろうかという時だった。
近くの交差点から激しい車のブレーキ音、直後激突音が聞こえて来た。
交通事故だ!すぐに現場に駆けつけた彼らはその光景を見て唖然とした。
「ム、ムク?」

・・・ムクの運命は?美樹原さんとの恋の行方は?乞うご期待!!


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